キャリアメンテナンス
私はは就職や転職ありきではなくキャリアやそれにまつわること幅広くご相談をお受けするキャリアカウンセラーとして活動しています。
ただ、ここ数ヶ月、具体的な就職活動や転職活動のサポートの機会が多くあり、やりたいこととやれることの整理、職務経歴書の添削、模擬面接を含む面接対策や、エージェントさんや企業とのコミュニケーションのことなど、こんなこと聞いていいのかとか、気にしすぎじゃないかとか、そんなことにもお答えしています。
私は今も以前も採用の仕事をさせていただいていて、日々書類選考も面接もしています。前職までの4年間はエージェントとして仕事をしていましたが、お伝えできることがたくさんあって、今更ながらやってきてよかったなぁとも思うのです。
さて、その中で強く思うのは、やはり自身のスキルや経験、強み弱みの棚卸しとメタ認知の大切さです。
語弊を恐れずに言えば、これらの解像度が高いか低いかでその方の転職活動がうまくいくか、おおよそわかります。その解像度が高ければ、客観視ができていれば、選考を受ける企業の求めていることをイメージでき、自身がどう貢献できそうかの具体的なすり合わせができますので、当然のことだと思います。
、、、んなことわかっとるわっ!!
、、、だからなにやねん!!
、、、何様!?偉そうに!!
、、、言うだけなら誰でもできるわ!!
、、、ぼけ!!かす!!
という感想を持たれている方がほとんどかと思います。
よくジレンマを感じるのは、日頃のこれらについて考えることの大切さに対して実行のハードルがあるというギャップ。
半年、3ヶ月、隔月、月、単位は人によって異なりますが、定期的にカウンセリングや対話をする機会を設け続けてくださる方が増えていて、やはりその皆さんは強いと実感するのです。
やりたいこともやれることも、スキルや経験も、一朝一夕で言語化して客観視して自覚することは難しいのです。コンスタントに向き合うことを続け、その中で一緒にアクションを決めて見えないものを見えるように、できないことを少しでもできるように、心のリミッターを無理せず外しながら、理解や認知から前進する。それで感じること、得たことを言葉にする。そしてまた次のアクションに。そんな日々の価値を強く強く実感させていただいています。
そんなやりとりは、キャリアカウンセリングというよりも、キャリアメンテナンスなのかなと、よく思わされます。
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さて、今日はとある転職活動中の方と、強みをどう企業に訴求するかについて話し合いました。
強みは企業が採用する理由の多くを占めます。私はよく強みを活かせて「我ながらよぅやったな!」と思える具体的なエピソードを伝えることの重要性をお伝えします。多くの方が経験エピソードを振り返らず、整理せずに場当たり的に伝えてしまいます。概念的な話は誰でも言えますが、エピソードの細部まではその方しか話せません。全く知らない人の活躍イメージを持たせるには映像として描けそうなほどの伝え方をしなければならない。しかも聞きやすく、受け取りやすくです。
多くの方がそこに目を向けずに、長すぎてはいけないからと概念的な話だけで伝えようとされます。
「マーケットを精緻に分析して、課題を抽出し、ユーザーヒアリングをしてリアルな肌感を持って仮説を立てます」
「顧客のニーズの本質をつかむよう聴くことに集中して営業します。持ち帰り社内調整し、現実的な落とし所を見つけてWIN-WINの提案をします」
などなど、面接官はそれは素晴らしいことだとわかるけど、で、、、ん?となってしまいます。エピソードはその先を伝える必須事項なのです。
そんな話をし合う中で、どんなエピソードを伝えたらいいかとご質問いただき、私は
「難易度の高い仕事でやりきったやつがいいですね。」
とお伝えしたのですが、それに対して、
「難易度の高い仕事ってつまりどういう仕事ですか?」
と。
このとき私は反省したのです。さも難易度の高い仕事というものを一般論かのように共通認識のように考え話していたなと。
具体的に書類や面接で訴求すべき「難易度の高い仕事」が何か、についてはまた追ってお伝えするとして、それがどういうものかについて、客観的な理解をすることには価値があります。
その理解や認識合わせのための対話をもっと大切にしないといけないなと再認識しました。客観性を大切にしているつもりでもふと忍び込んでくる主観。
私自身のキャリアカウンセリングにも、丁寧に意識的なメンテナンスが必要だなと思ったのでした。
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